「AIで絵や動画を作っています」と話すと、AIに一度指示を出すだけで完成すると思われがちです。でも、実際はそうではありません。
何を作るか決め、AIに伝え、出てきたものを見比べて選び、修正を指示する。反映されたら、さらに指示していき、何度も繰り返し試行錯誤しながら、少しずつ作品を磨き上げていきます。
この冊子では、僕が普段AIを使って行っている創作活動を、誰でも実践できるよう、具体的な手順に沿って紹介しています。
主に使用するのは、パソコンのターミナル(黒い画面)から操作するAIツール「Claude Code」と「Codex」です。
制作過程での成功例、失敗例、そこから自分でも再現できる「作り方」としてまとめました。
ぜひ、最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。
この冊子の見方
① 画面内の番号 123
画面内に表示されている番号は、図の下にある説明と対応しています。番号を追いながら、操作の流れを確認できます。
② 使用するAIツール Codex
「Codex」など、枠で囲まれたツール名は、その手順で僕が実際に使用しているAIを示しています。
大事にしていること
何を作るか、どれを残すかは人が決める。AIの採点は参考までにとどめる。
最初から2〜3案出させて、拡大して見比べて選ぶ。
完成した絵に、あとから文字を乗せない。表紙もサムネイルも漫画の吹き出しも同じ。
言葉だけだと「それっぽい絵」になる。画風やキャラの見本画像を毎回添える。
届かないものは出さない。一度出したものでも、届いていなければ消す。
同じ直しを2度言わないように、AIにルールとして記録させる。手で3回やった作業は手順書にする。
1本ごとに回している順番
うまい指示文より、材料と見本。
準備
段取りを決め、台本や指示を書き、できたものを確かめる。手順書も作る。
画像を描く、プログラムを書いて動かす。見本の画像を何枚も渡せるので、キャラや画風をそろえる絵はCodexで描く。
表紙やサムネイルのように、文字と絵を一緒に描かせたいときに使う。
ほかに、プログラムで動画を組み立てる「Remotion」、声を作る「Gemini」、文字起こしのAIも使います。名前を覚えなくても、AIに「必要なものを入れて」と頼めば入れてくれます。
フォルダを作る
素材も完成品も、1つのフォルダに置く。
AIを起動する
そのフォルダでターミナルを開き、claude と打つ。
最初の一言
下の文をそのまま送る。AIが素材を見て案を出す。
PS C:\作品\はじめての1本> claude
Claude Code v2.1.296
Opus 5.5
C:\作品\はじめての1本
> このフォルダの素材を見て、何が作れそうか提案してください。
まだファイルは変更しないでください。
? for shortcuts
入れ方と料金は各社の公式サイトで確かめてください。使える機能は契約によって違います。画面は2026年10月時点のものを紙の上で再現しています。
基本の操作
> 素材フォルダの台本メモを読んで、30秒の台本を書いてください。
絵の指示は、まだ作らないでください。
● Read(素材\台本メモ.txt)3
⎿ Read 18 lines
● ゴッホの「モデル代を節約して、鏡で自分を描いた」話で、
4行の台本にします。オチは最後の1行に寄せます。2
● Write(台本\ゴッホ_無料モデル.md)
⎿ Wrote 4 lines to 台本\ゴッホ_無料モデル.md
1 ゴッホ「今日は、人の肌を描きたい」
2 ぽん太「僕なら、モデル代タダです!」
3 ゴッホ「君、ロボットだろう?」
4 ぽん太「顔採用のはずが、腕採用……」
● Update Todos()4
⎿ ☒ 台本を書く
☐ 場面の絵を頼む(Codex)
☐ 声を作る(Gemini)
Bash command5
codex exec -m gpt-5.5 "場面1の絵を2枚描いてください。…" -i 見本.png
Codexで場面1の絵を描く
Do you want to proceed?
❯ 1. Yes
2. Yes, and don't ask again for codex commands in C:\作品\ぽん太
3. No, and tell Claude what to do differently (esc)
頼みごと 自分が打った文。ふだんの言葉で書けばいい。
AIの返事 これから何をするか、何をしたかを説明してくれる。
AIがしたこと ファイルを読んだ・書いた・プログラムを動かした記録。
やることリスト 長い作業は、AIが自分で手順に分け、終わったものに印を付ける。
許可を求める画面 ファイルを変える前や、別のAIを動かす前に止まる。番号で答える。3を選ぶと、やり方の指示を出し直せる。
偉人のクセの強い一面を、ポンコツなロボット社員「ぽん太」が手伝おうとして空回りする、短いコント動画です。台本・絵・声・動きを、AIと分担して作っています。









ネタ Claude Code
偉人の「クセ」を1つ選び、本当の話か原典や公式の資料で確かめる。
台本 Claude Code
4〜5行の台本をファイルに書く。台詞ごとに言い方の指定も付ける。
絵 Codex
場面の絵を4〜5枚。1場面2枚ずつ出して選ぶ。
声 Gemini
1行ずつ読み上げを作る。2回録って、よいほうをAIに聞き比べさせる。
動き Remotion
絵の上に、吹き出し・効果音・カメラの寄りを重ねる。
確認
AIに「初めて見る人のつもりで厳しく」講評させる。最後は自分の目と耳で決める。




場面の絵を頼むときの指示(要約)
市販のフルカラー漫画の画風。強弱のある黒い線、水彩風の塗り。 文字は一切描かない。空の吹き出しも描かない。 上から30%は吹き出しを置くので、背景だけにする。 右端10%と下端15%は、スマホのボタンと重なるので大事なものを置かない。
早回しは声が不自然になる。「早口で、間を空けずに」で、9秒の台詞が3秒台になった。
見本に写っていた猫が勝手に入り込んだ。「猫を描かない」と書いて防いだ。
「誰でも知っている話を、一言でひっくり返す」。届かない回は、公開したあとでも消した。
僕が出ているYouTube番組は、編集をAIに任せています。スマホでラフに撮った動画を渡して「いつもの感じで編集して」と頼むだけ。言いよどみのカット、要点の文字、図解、BGM、サムネイルまで、AIが作ります。


「生成と編集は違うんですよ」
ゼロから描かせるのではなく、撮った素材を組み合わせるのが編集です。
最初の頼み方
D:\素材\1005_収録 の動画と写真を使って、YouTube動画を作ってください。 どんな動画がいいかは提案してください。 まず企画の提案まで進めて、私の返事を待ってください。
音を整える
ノイズを消して、声を聞きやすくする。
文字にする
話した言葉を、1語ずつ時刻つきで文字にする。
削る
言いよどみと長い間を、音声ごと削る。
組み立てる
話を収録の順ではなく、伝わる順に並べた企画案を出す。ここで1回止まってもらう。
飾る
要点の文字、図解、写真、BGM、効果音。全文の字幕は画面に焼かず、YouTubeの字幕機能へ。
見る
冒頭の数分だけ本番の画質で作って確かめる。ここで2回目。
仕上げる
書き出し、サムネイル、非公開でアップロード。公開ボタンは自分で押す。
記録する
この回の色と作り方をAIに書き残させる。
動画を編集してくれるっていう感じになります。
7:41聞き手あの画像作成ツールとかあるじゃないですか、チャットGPTとか。 言いよどみを削除
あれの動画作成版みたいなイメージですかね?
7:49赤堀ちょっと違う。
7:51赤堀生成と編集は違うんですよ。 要点の文字「生成と編集は、違う」
「よくない!」のような断言や、念押しの2回目は、言い直しではない。
写真は、情報を足すか、想像を広げるときだけ。
回ごとに色と作りを考え、その作り方を記録させる。
離れたマイクだと、ノイズ消しが声まで削ってしまう。
ガラスのモザイクで描いた世界の13の風景に、青いコインが7枚ずつ隠れている探し絵本です。絵はAIの画像生成で描き、コインの配置と印刷データづくりはプログラムで行い、Claude Codeが段取りと確認を受け持ちました。

「近くで見ると美しいけど、
印刷して遠くから見るとパッとしない」
だから、近くで見ても遠くから見ても成り立つ絵にする。遠くからの見え方は、縮小・ぼかし・白黒にして確かめる。
企画 Claude Code
13の土地、見開きの順番、32ページの割り振りを決める。
1枚絵 Codex
画風の見本を毎回2枚添える。綴じ目と紙の端に大事なものを置かない。
大きくする
AIが一度に出せるのは1536×1024。4倍に拡大して印刷の解像度にする。
正確な形は下絵から Codex
世界地図は、本物の海岸線のデータで下絵を作って渡した。
コインと文字
コインは決まった図柄を置いて、なじむよう描き直させる。文字は絵と一緒に描く。
入稿 Claude Code
断ち落とし3mm、350dpiでPDFにまとめる。


> 世界地図の見開きを描いて。形は下絵どおり、画風は見本どおりに。
● Bash(codex exec -m gpt-5.5 "1枚目の下絵の形を守って、2枚目の画風で…" -i 下絵.png -i 見本.png)
⎿ OpenAI Codex v0.160.0
model: gpt-5.5 sandbox: read-only reasoning effort: medium
codex map_1.png
● 描けました。海岸線は下絵どおりです。拡大して見比べてください。

見本と、直す絵を分けて渡す
1枚目の画像を編集してください。 2枚目は画風の見本です。画風だけを参考にして、ほかの部分は写さないでください。 変えるのは次の2点だけ。それ以外はすべてそのまま。
偉人とぽん太の4コマギャグ漫画です。1ページ=4コマ1本を、吹き出しの文字まで含めて1枚の画像として描かせています。僕の仕事は、台詞とオチを考えて、言葉で直すこと。作画はAIに任せています。
直す前

直した後

image_gen ツールで画像を2枚生成してください。
2スクリプト・SVG・HTMLで描画や文字入れをしてはいけない。
324
### 画風
5完全な白黒漫画。強弱のある主線、ベタ、スクリーントーン。
6色は一切使わない。紙の地は真っ白。
738
### キャラクター(添付の見本と同じ造形を守る)
9ぽん太:四角い頭、眠そうな半目、頭頂に棒と玉のアンテナ。
10411
### コマ割りと文字
12横長のコマが縦に4つ。吹き出しは右にあるものから先に読む。
13514
### このページ
151コマ目:コーヒーカップを掲げ、こだわりの炎を背負って叫ぶ。
164コマ目:頭から湯気を出して大噴火。ぽん太は豆の中で縮こまる。
17618
## TYPOGRAPHY
191コマ目(ギザギザの叫び):俺は絶対、豆60粒のコーヒーしか飲まん!!
202コマ目 ぽん太:僕が60粒、数えます!
214コマ目(ギザギザの叫び):最初から数え直せーっ!!
何枚描くか。文字をプログラムで後から入れない。
白黒漫画、Gペンの線、ベタ、スクリーントーン、真っ白な紙。
四角い頭、半目、アンテナの玉。毎回同じ言葉で書く。
先に話す人と吹き出しを右に置く。
誰が、何をして、どんな顔をしているか。
吹き出しの文字を一字一句そのまま書く。ほかの文字は描かせない。
「色を抜いて」ではなく「白黒漫画として描き直して」。ぼやけた灰色の絵にならない。
「箒」が崩れたときは「ほうき」と書いて作り直した。文字を後から乗せてごまかさない。
2人が同じ顔になったら、髪型やひげを言葉で指定し直す。
偉人のクセは原典で確かめる。会話とぽん太の行動は創作だと明記する。
仕組みにする
同じ作業を手で3回やったら、その作り方をAIに「スキル」(手順書)としてまとめてもらいます。一度スキルにしておけば、次からは「〇〇のネタで作って」と一言頼むだけで、同じ作り方・同じ水準でAIが作ってくれます。直したことはスキルに書き足すので、作るたびに手間が減っていきます。
> ナポレオンのネタで、漫画型ショートを作って
● Skill(ponta-manga-short)1
⎿ Successfully loaded skill
● スキルの手順どおりに進めます。まず4コマの台本を作り、
場面の絵は1場面2枚ずつCodexに頼みます。2
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2name: ponta-manga-short
3description: 4コマ漫画を縦型ショートに
4する。「◯◯の回を動画化」で使う。
5---
6## 決まっていること
7- 台詞は直した後の漫画と同じ。
8## 手順
91. フォルダ 2. 場面画 3. 声 …
僕が使っているスキルの一例
スキルにまとめてもらう
今日やった作り方を、次も同じようにできるスキルにまとめてください。 うまくいかなかった点と直し方、「〇〇のネタで作って」で呼べる名前も入れてください。
最後に

この冊子の作り方は、会社の仕事でも同じです。手で3回やった仕事をスキルにして、AIに任せていく。
AiWiLLは、ビジネス×AIの研究所です。顧問先の現場に入り、自社の業務で先に試し、使える型だけをお渡しします。社員は、マーケティング、営業、経理、開発、デザイン、コミュニティ運営——それぞれ違う分野の専門知識を持ち、自分の領域をAIで回しながら、お客様の現場に入ります。
AiWiLLでは「AI顧問 使い放題」というサービスを提供しています。すべての会社をAI-Readyに導く、という使命のもとでサービスを展開しています。
AIを会社に、事業に組み込みたい方は、ご相談ください。
AiWiLL株式会社
AI顧問 使い放題
サービスの内容と料金は、QRコードのページでご覧いただけます。
aiandwill.com/lp/willagent-ai-advisor/
Claude Code・Codexで
AIアート活動を
する方法
この冊子で紹介した本
赤堀 亘 AiWiLL株式会社 代表
aiandwill.com
YouTube「AI顧問の現場録」
2026年11月7日 発行 非売品(無料配布) 著者 赤堀 亘 発行 AiWiLL株式会社
Claude CodeはAnthropic、CodexはOpenAI、GrokはxAIの製品です。本誌は各社の公式の刊行物ではありません。画面・機能・料金は2026年10月時点のもので、画面は紙の上で再現したものです。掲載作品と表紙は、著者がAIを使って制作しました。